税制改正、ローン減税の借入限度額維持

― 子育て・若者に限定、床面積要件は延長

 政府・与党は、24年度税制改正の焦点になっている住宅ローン減税について、子育て世帯と若者夫婦世帯に限り、当初予定されていた縮減を回避し、現行の借入限度額を維持する方向で検討を進めている。住宅ローン減税は、自民党税制調査会で政治的判断を要する「マル政」項目とされており、集中議論が行われる予定。

 住宅ローン減税は、年末時点のローン借入残高の0・7%を、最長13年間所得税額から控除する仕組み。借入限度額(減税対象となる残高の上限)は、23年入居までは、最も品質の高い長期優良住宅・低炭素住宅で5000万円、ZEH水準住宅で4500万円、省エネ基準適合住宅で4000万円、その他住宅は3000万円だった。22年度改正により、借入限度額は24年入居から、順に4500万円、3500万円、3000万円、その他住宅は対象外と、縮減されることが決定していた。

 決定済みの内容の変更には慎重論もあるが、政府・与党は18歳未満の子のいる子育て世帯と、40歳未満の若者夫婦世帯に限定して、24年・25年入居分も現行の借入限度額を維持する方向で調整中。省エネ基準に適合しない「その他住宅」は、予定通り対象外にする。国交省の推計によると、新築住宅取得者に占める子育て世帯・若者夫婦世帯の割合は7割以上。住宅価格が高騰するなか、住宅・不動産業界からは現行の借入限度額の据え置きを強く求める声が上がっていた。

 新築で合計所得金額1000万円以下に限り床面積要件を40㎡とする措置は、23年末で期限切れの予定だったが、「25年入居まで」に延長する方向で検討中。

2023.12.15