全118機関の経常損益総額は5.67%増の2兆5746億円

―トップは三菱UFJ銀、上位10機関は増減分かれる

 2024年3月期第1四半期の経常利益を開示した118機関のデータによると、経常損益の総額は、前年同期実績2兆4365.41億円から5.67%増(1380.75億円増)となる2兆5746.16億円だった。上位10機関のうち5機関が減益となった一方、4機関は約50%を超える増益となった。

 経常益計上額のトップは、三菱UFJ銀の4700.46億円(86.45%増)、2位は三井住友銀の2241.18億円(19.85%減)、3位はみずほ銀の2029.00億円(49.74%増)、4位はゆうちょ銀の1198.18億円(0.72%増)、5位は農林中央金庫の1057.00億円(628.97%増)。前年同期29位だった農林中央金庫は、経常収益は7514.02億円(-3.84%)と減らしたが、経常費用を6456.29億円(-15.81%)と圧縮した結果、大きく利益を伸ばした。

 6位以下は第一生命の1043.18億円(39.41%減)、東京海上日動火災保険の1036.17億円(37.76%減)、アメリカンファミリー生命の911.37億円(17.94%減)、三井住友海上火災の894.18億円(67.39%増)、三井住友信託の627.95億円(17.71%減)だった。

 トップ10以外で増益が目立ったのは、12位の損害保険ジャパン(555.27億円、142.48億円増)、13位のメットライフ生命(528.92億円、138.25億円増)、15位のかんぽ生命(441.42億円、310.57億円増)、18位の野村證券(278.28億円、189.03億円増)、38位のSMBC日興証券(124.56億円、186.84億円増)などだった。かんぽ生命は、経常収益を139.67億円減らしたが、経常費用も450.24億円減らした。その結果、経常益は237.35%増やした。前年同期は85.72%減であったが、保険金支払金等の費用が減少したことにより利益を確保している。

 一方、減益が目立ったのは、19位のジブラルタ生命(254.39億円、170.86億円減)、20位の住友生命(253.00億円、439.48億円減)、23位の大同生命(204.25億円、62.99億円減)、26位の三菱UFJ信託銀行(196.05億円、660.99億円減)などだった。なお経常損失を計上したのは、前年同期の4機関から1機関のみとなった。損失機関はニッセイ・ウェルス生命で、-301.52億円(87.23%減)だった。

2023.12.1