都、多摩ニュータウンの再生方針改定へ

 東京都が「多摩ニュータウン」の新たな再生方針に関する議論を始めた。都市整備局は、検討委員会(委員長=中村英夫・日本大学理工学部教授)の第1回会合を開催。多摩ニュータウンの現状・課題について報告した。18年2月に策定した「多摩ニュータウン地域再生ガイドライン」の改定を目指す。将来像やまちづくり方針は次回の検討を予定。年内にも素案を作成し、今年度中に新たな方針をとりまとめる。

 多摩ニュータウンは、八王子・町田・多摩・稲城の4市にわたる総面積が約2900haの地域。1965年に良質な宅地・住宅の大量供給を目的に計画を決定し、1971年から住宅の入居を始めた。課題となるのが、入居当初から50年が過ぎ、老朽化による建物の更新時期を控えることだ。旧旧耐震・旧耐震の団地が2万戸ほど存在し、対応も急がれている。加えて、入居者が高齢化しており、若年層の転入増加も大きな課題となっている。駅周辺の商業施設の老朽化も進んでおり、多摩センター駅や永山駅周辺の施設は築30年を超える建物が増加した。今後は未利用街区への施設立地など、商業・業務機能を持つ施設の立地促進が求められている。

2023.11.2