24年度は建設コスト増を消費者が受入れ
─建設経済研の着工予測、23年度から反動
建設経済研究所は、独自モデルで試算した「建設投資の見通し(23年10月)」を公表した。24年度の住宅着工戸数は23年度(見通し)比で0・6%増の84・5万戸と予測。前回の8月予測から1万戸減少。24年度は建設コスト高止まりによる消費者心理への影響は一巡し、消費者が値上がりの受け入れに動くとみている。前年度の反動でやや増加との予測に変更はない。
24年度の持家は23年度見通し比1・6%増の24・3万戸と予測した。23年度の足元の実績値が全ての月で前年度を下回っており、23年度は23・9万戸(22年度実績比3・6%減)のマイナス予測。これに対し24年度はコスト増が多少落ち着くことで、23年度の反動でプラス予測とした。24年度の貸家は35万戸(23年度見通し比0・2%増)と推計。持家、分譲住宅に比べ好調を維持すると想定。引き続き貸家に対する投資は維持されるとみてやや増加の予測。
分譲住宅は、24年度は23年度見通しからほぼ横ばいの24・5万戸の予測。うちマンションは10・3万戸(23年度見通し比1・0%減)、戸建ては14・2万戸(0・6%増)の予測。マンションの着工は23年度の足元の実績値がここ10年で最低水準にあり、23年度を22年度比9・7%減の10・4万戸と予測。24年度も回復に至らないとの見方。戸建ては足元の着工が堅調だが14・4万戸台だった21~22年度に比べると若干落ちるが好調は続く。
民間非住宅建設投資は、24年度19兆2300億円(0・4%増)を予測。面積最大の倉庫は1181・8万㎡(2・0%増)と予測。前回予測で倉庫は24年度まで3年連続減少との見方だったが、中継物流施設の整備や荷量増大を見込んだ施設の拡大などの物流24年問題対応の投資ニーズもあり、増加予測。
2023.10.27