ZEH供給事業者が前年比3倍の大幅増
―経済対策の次期支援策に予算増求める声
ZEHを供給した事業者の数が、前年比約3倍の約9000事業者になったことが分かった。国交省が昨年の経済対策の住宅取得支援策「こどもみらい住宅支援事業」(21年11月~22年11月)と、今年の「こどもエコすまい支援事業」(22年11月~23年9月)の実績を集計した。経済対策の住宅取得支援策が、ZEHを中小の住宅供給事業者にも広く普及させる効果を生んでいる。
両支援策ともZEHが対象に含まれ、申請データからZEH供給事業者数が比較できた。住宅瑕疵担保履行法に基づく資力確保措置の届出によると、22年度中に1戸以上の新築住宅を引き渡した事業者は約3万事業者。大多数は中小事業者(工務店)だ。約3万事業者のうち、ZEH事業者は「こどもみらい」約3000事業者、「こどもエコ」約9000事業者で、ZEHを扱える事業者の割合も大きく増えたことになる。
政府は10月末に新たな経済対策をまとめる。重点事項に「今後も省エネ住宅の取得や窓リノベ等のリフォームが促進されるよう、十分な投資促進効果のある支援を実施すること」が盛り込まれる見通しで、国交省は具体化に向け調整中。予算額は「こどもみらい」1142億円、「こどもエコ」は1709億3500万円だった。取扱事業者の増加に伴い申請ペースも加速し、予算額の多い「こどもエコ」の方が終了が早かった。業界からは大幅な予算増を求める声が出ている。
政府は30年度以降の新築住宅にZEH水準の省エネ性能を確保する目標を掲げる。経済対策に、ZEHに対応するための供給サイドの技術水準を引き上げる効果があることも確認され、次の支援策の予算規模が大きな焦点となっている。
2023.10.20