フラット35、10月から電子契約に対応

─住金機構、インフラ整備し金融機関提供

 住宅金融支援機構は、10月からフラット35の電子契約サービスを開始する。今後、現在まだ紙ベースの借入申し込みもウェブに対応する方針で、24年度中には申し込みから契約まで一連の手続きをウェブで完結させる環境を整える。同機構は手続きのデジタル化に取り組んでおり、同日から団体信用生命保険(団信)や、災害復興住宅融資でもウェブ対応を進める。

 これまでフラット35の申し込みや契約では、各取扱金融機関が独自にウェブ手続きのためのシステム開発を行い、導入していた。電子契約のさらなる利用拡大を目指し、機構が電子契約サービスのインフラを整備し、金融機関に提供することとした。サービス開始時点では、アルヒ、旭化成ホームズフィナンシャル、全宅住宅ローンなど16金融機関が順次導入予定。電子契約では契約書への収入印紙の貼付が不要になるのもメリットのひとつ。22年度のフラット35の融資額は平均3266万円。このケースでは、紙の契約書だと印紙代が2万円必要になる。電子契約サービスの利用には手数料がかかる(金融機関により異なる)。

 同日から機構の団信のウェブ申し込みサービスもスタートする。団信は、住宅ローン返済中に契約者が死亡した場合に保険金からローンの返済を行う仕組み。フラット35の契約では機構の団信に加入するかどうか選択する。団信ウェブ申し込みは19金融機関が対応する。

 また、災害復興住宅融資のウェブ申し込み・契約サービスも同日開始となる。災害復興住宅融資は、被災者の住宅再建を支援する長期固定・低金利の融資制度。こちらは同日時点で、融資申し込みから契約まで全てウェブ経由で完結するようになる。

2023.09.29