マンション価格、年1割弱の上昇が継続

―三菱UFJ信託、デベロッパー37社に調査

 三菱UFJ信託銀行は、「23年度上期デベロッパー調査(首都圏マンション・戸建)」の結果をこのほど公表した。デベロッパー各社はマンション市場について、年間1割弱の価格上昇の継続を見込む一方で、戸建市場は6000万円以上の価格帯で横ばい、6000万円未満の価格帯で1年後に4%ほどの価格低下を見込んでいる。調査はマンションデベロッパー26社、戸建デベロッパー11社にアンケートで実施した。

 売れ行きが好調な価格帯について、マンションは「都心6区」が平均価格1億2516万円と、前回の22年下期調査から強い伸びとなり、価格帯も上昇した。また、「その他23区」「都区部周辺」「郊外」の全てで価格帯・平均価格が上昇した。戸建は「世田谷区等」が平均価格1億719万円となり、価格帯・平均価格が上昇。「練馬区等」も上昇したが、「都区部周辺」「郊外」は価格帯・平均価格が下落した。

 半年前と比較した仕入環境は、マンションの素地価格が上昇したとの回答が8割超。都心に向かうほど価格の上昇幅が大きい傾向だった。半年後も、「都心6区」で約7割、「都区部周辺」で約6割、「郊外」では約5割が価格上昇を予測。戸建では半年前との比較で価格上昇とする回答が、「世田谷区等」や「練馬区等」で半数以上だった一方、「都区部周辺」は40%、「郊外」で33%。半年後は「都区部周辺」や「郊外」の下落を予測する回答が4割以上だった。

 懸念材料を尋ねると、マンション市場では「資材価格・労務費の上昇」「金利水準の動向」「用地費の上昇」が上位だった。戸建市場で「消費者の購入意欲低下」「用地費の上昇」「資材価格・労務費の上昇」が上位の回答だった。

2023.09.22