東京で掲載賃料上昇も反響は追いつかず
―ライフル、都心回帰など賃貸需要高まる
ライフルは、4~6月期の市況に関するレポートをこのほどまとめた。首都圏では、東京都のファミリー向け賃貸物件の掲載物件平均賃料が15万5901円(前年同期比14・5%増)だった一方で、反響物件平均賃料は14万9079円(2・4%増)にとどまった。大幅に上昇した賃料水準にユーザーの住居費が追いついていない状況とみられる。売買では中古マンションのファミリー向け物件(70㎡換算)で、東京都の掲載平均価格が5534万円(0・4%増)、反響平均価格は4927万円(3・7%増)だった。
ファミリー向けの賃貸物件では、東京23区の掲載賃料が18万3690円(14・7%増)で、1~3月期の前期比8・2%の上昇に続いて、4~6月期も前期比4・4%の上昇となり、この半年間に掲載賃料が2万円以上の大幅な上昇をみせた。人流の都心回帰や新築分譲マンションの価格上昇から、賃貸需要の高まった影響が出たと分析している。一方、23区の反響賃料は16万6628円(1・5%増)で、乖離率をみると掲載賃料が10%以上も上回った。東京都下を始め、他エリアでは掲載賃料より反響賃料が低い場合もあり、23区で強気な賃料設定があるとみられる。
中古マンションのファミリー向け物件で首都圏をみると、東京23区の掲載価格は6106万円(0・5%増)、反響価格が5578万円(1・3%増)で、乖離率が12・3%だった。東京都下の掲載価格で3371万円(10・1%増)、反響価格は2728万円(9・6%増)となり、乖離率は23・6%になったことを含め、3県も乖離率が30%を超えており、東京23区以外では掲載価格の上昇に反響が届いていないとみられる。
2023.09.08