インフラ投資は海外の私募ファンド最多
―三井住友トラスト研、投資検討の年金基金4割
三井住友トラスト基礎研究所は、「インフラ投資に関する調査」の結果をまとめた。21年までは一部を「不動産投資に関する調査」の一環で調査していたが、設問を追加して新たな調査として初めて実施した。調査は、5~6月に年金基金402、機関投資家等175に郵送でアンケートを送付して、回答数107(年金基金79、機関投資家28)を得た。
オルタナティブ商品への投資を行う投資家は、年金基金が85%、機関投資家等は82%だった。投資対象の内訳を訊くと、年金基金で「不動産」26%、「ヘッジファンド」23%、「インフラ」16%。機関投資家等では「不動産」34%、「プライベート・エクイティ」26%、「インフラ」19%だった。オルタナティブ商品への投資配分では、今後も増加傾向を予想できる回答が年金基金、機関投資家等ともに多かった。今後のインフラへの投資方針では「検討すべき投資対象の1つ」とする回答が、年金基金で42%だった一方で機関投資家等は32%にとどまり、方針に違いがみられた。
インフラ投資に対する質問では、アセットクラスの位置付けとして「オルタナティブ投資枠の一部分」とする回答が、年金基金、機関投資家等ともに最多だった。インフラ運用資産の内訳をみると、年金基金では「海外インフラを対象とした私募ファンド」が57%、「海外インフラデット(メザニン含む)」で28%となり、海外インフラへの投資で合計85%を占めた。機関投資家等は「海外インフラを対象とした私募ファンド」の27%に続いて、「国内インフラを対象とした私募ファンド」に23%の回答があり、私募ファンドへの投資が半分程度を数えた。
2023.09.01