
国交省、不動産投資拡大へ有識者懇談会
―透明化と多様化カギ、来春に対応具体化
不動産投資市場の振興策を有識者らで討議する国土交通省の「不動産投資市場政策懇談会」(座長=田村幸太郎・牛島総合法律事務所弁護士)が開かれた。会合では関連する税制や法案など現行施策を振り返り、市場拡大への道筋を探った。委員からは市場のさらなる透明化と投資対象の多様化を促す枠組みの必要性を説く意見が出た。老朽ビルの更新に当たり、環境性能のほか耐災害性やウェルビーイングなどの視点も加味することで投資家のすそ野が広がるといった指摘もあった。国交省は来春に予定する次の懇談会で対応方針を具体化し、政策に反映させたい考えだ。
会合は不定期に行われ今回で15回目。冒頭、今月就任した塩見英之不動産・建設経済局長は「コロナ禍を経て経済が成長軌道に向かい、新しい挑戦をしやすい環境になった」と述べ、国として国際競争力強化や環境対応、DXなどを前に進める方針を改めて強調。2030年頃までにリート市場の資産規模を40兆円に拡大するとの目標を確実に達成するため、参加者らに市場活性化につながる活発な議論を呼び掛けた。
意見交換で田村座長は日本に投資を呼び込む上で情報開示などの透明性向上が不可欠との認識を強調。早稲田大大学院の川口有一郎教授は不動産市場の循環を促す観点でリートの枠組みを抜本的に見直す必要があると主張した。三菱地所経営企画部の佐々木隆一氏は開発と投資の選択肢を増やす上で建築物の用途転換を円滑にする規制緩和の有効性を説いた。不動産証券化協会の伊倉健之専務理事は私募リートの成長度がJリートを上回っている理由を「投資商品が需要に合っているからだ」と分析。新たなアセットへの投資を柔軟に後押しする柔軟かつ機動的な制度運用を訴えた。
2023.07.21