不動産証券化の資産規模、53・5兆円に
─国交省22年度調査、商業施設の取得増加
国土交通省は、22年度の「不動産証券化の実態調査」をまとめた。リートや不動産特定共同事業、私募ファンド(TMK、GK-TKスキーム)による不動産証券化対象の資産総額は前年度比6・5兆円増の53・3兆円となった。22年度に証券化の対象となった不動産の取得は合計で2兆円(前年度2・86兆円)、譲渡は0・5兆円(0・93兆円)だった。
取得された2兆円のスキーム別の内訳をみると、リート(私募リート含む)は実物0・19兆円、信託受益権1・5兆円で合計1・69兆円。不動産特定共同事業は0・31兆円。譲渡された0・5兆円のスキーム別の内訳は、リートが実物0・03兆円、信託受益権0・36兆円で合計0・38兆円。不動産特定共同事業が実物0・11兆円。
取得された不動産の用途別の割合をみると、最も多いのはオフィスで26・1%(前年度32・7%)、次いで物流施設21・0%(22・3%)、住宅20・2%(19・4%)だった。上位のオフィス、物流、住宅の割合が前年度より減少するなか、商業施設の取得は9・2%(4・2%)に増えている。
取得資産の都道府県別の実績をみると、東京都は426件(前年度比22件増)、大阪府99件(45件増)、神奈川県89件(10件増)、愛知県75件(1件増)、埼玉県59件(12件増)、千葉県49件(3件増)、福岡県44件(1件増)、北海道31件(6件増)だった。 不動産特定共同事業のうち、不動産開発資金を証券化によって調達する「開発型の証券化」の実績は96件(21件増)で、件数は増えたが、金額合計は790億円(40億円減)となった。
2023.07.14