持家、「過去10年で最低」が9カ月連続

─国交省5月着工、貸家は持ち直して増加

 国土交通省は、5月分の建築着工統計調査報告を公表した。新設住宅着工戸数は6万9561(前年同月比3・5%増)で、4カ月ぶりに増加に転じた。住宅着工床面積は548・7万㎡(1・4%減)で4カ月連続の減少となった。

 持家の低迷が続いている。持家は1万8853戸(11・5%減)で18カ月連続の減少。5月としては10年間で最低の水準。単月で過去10年の最低となるのが持家は9カ月連続で続いている。国交省は「物価高騰でマインドが低下し受注が減少している」と説明する。このうち民間資金の持家は1万7110戸(11・8%減)で17カ月連続の減少となっている。

 貸家は2万8695戸(10・5%増)で前月の減少から再び増加に転じた。過去10年では上から4番目。うち民間資金貸家は2万6354戸(9・4%増)で3カ月ぶりの増加。好調だった貸家は4月にマイナスとなったが、「4月は一時的なものとみられる。法人から安定した引き合いがあり堅調だ」(国交省)。

 分譲住宅は2万1389戸(9・1%増)で過去10年で上から4番目の水準となり、4カ月ぶりに増加した。うちマンションは9700戸(28・2%増)で過去10年で上から5番目水準。前月の減少から再びの増加に転じた。分譲戸建て住宅は1万1165戸(2・5%減)で7カ月連続の減少。過去10年では上から5番目の水準だった。

 民間非居住建築物の着工床面積は287万㎡(22・5%減)で4カ月連続の減少。使途別では倉庫85万㎡(25・4%減)、工場46万㎡(48・7%減)、事務所36万㎡(4・5%減)、店舗30万㎡(10・7%減)。

2023.07.07