国交白書、デジタル化の将来期待を調査

─不動産業界や不動産投資市場も定点観測

 政府は、23年版「国土交通白書」を閣議決定した。国土交通省の施策全般に関わる年次報告で、今年は「デジタル化で変わる暮らしと社会」をメインテーマに取り上げた。不動産業の動向と施策のとりまとめも盛り込まれている。

 国交省は、将来の暮らしと社会に対する意識の動向を調査し、結果を白書で公表した。「デジタル化を通じて実現を図る2050年の新たな社会像」についての期待を調査したところ、全世代の5人に4人以上が「災害から人命と暮らしが守られる社会」「一人ひとりのニーズにあったサービスを受けられる社会」「住む場所や時間の使い方を選択できる社会」と回答した。10歳代は仮想空間の活用への期待が高い傾向も分かった。「バーチャルな空間の充実により物理的な障害に制約されず活動できる社会」と回答したのは、全体は55%だったが、10歳代に限定すると78・8%だった。

 「不動産業の動向と施策」もとりまとめた。不動産業は、全産業の売上高の3・4%、法人数では12・8%を占めている(21年度)。21年度末の宅地建物取引業者数は12万8597業者となった。同年度の違反業者に対する監督処分件数は、162件(免許取消93件、業務停止27件、指示42件)。

 日本の不動産の資産額は21年末で約2956兆円となった。国交省は30年までにリート等の資産総額を約40兆円にする目標を設定している。23年度末時点でJリートは60銘柄が上場。対象不動産の総額は約22・2兆円で、私募リートと不動産特定共同事業と合わせると約28・4兆円まで成長している。Jリートの22年の1年間の資産取得額は約0・9兆円だった。

2023.07.07