不動産業向け貸出残高8.23%増の93.38兆円

―トップは三菱UFJ銀、不動産シェアは13.78%

 金融機関98機関(都銀5行、信託3行、生保9社、地銀75行、その他6機関)の2023年3月期業績によると、不動産業向け貸出金の期末残高(以下、不動産向け残高)は総額93兆6565億円(前年同期比5兆1959.64億円増、5.87%増)。総貸出残高(664兆5493.35億円)に占める不動産業向け貸出割合(以下、不動産シェア)は14.09%で0.09P上昇した。

 不動産向け残高トップは、三菱UFJ銀(残高10兆617.14億円、7602.30億円増)。これに三井住友銀(9兆9368.36億円、1兆234.54億円増)、みずほ銀(9兆4895億円、7897億円増)、りそな銀(5兆2240億円、771億円増)、横浜銀(4兆817.16億円、2747.51億円減)が続く。6~10位は三井住友信託銀(3兆4566.11億円、1357.01億円減)、千葉銀(3兆1019億円、1911億円増)、、静岡銀(2兆3292.77億円、1383.89億円増)、福岡銀(2兆3009億円、1045億円増)、西日本シティ銀(1兆9963.38億円、1244.12億円増)。

 上位10行までの全セクター向けの総貸出は、前年から23兆4267.36億円(6.39%)増えているのに対して、不動産向け残高は3兆2741.61億円(6.72%)増。これを上位20位まで広げると、総貸出5.52%増に対して不動産向け残高は6.25%増で、若干、不動産業向け貸出が活発なことがわかる。全金融機関の総貸出は前年同期比5.20%増、同不動産向けは5.87%増。

 トップ10以外で増加率が高かったのは、15位のきらぼし銀の13.89%増(残高1兆3924.96億円、1698.62億円増)、16位の七十七銀の9.32%増(1兆3014.96億円、1109.04億円増)、23位のSBI新生銀の16.25%増(8021.00億円、1121.00億円増)などだった。不動産シェアは、12位のみずほ信託銀が50.61%でトップ、70位の沖縄海邦銀が41.07%、33位の東日本銀が40.85%で続いた。

 一方減少した機関は17機関。減少率が大きかったのは、94位の朝日生命保険の45.35%減(残高95.05億円、78.88億円減)が最大。そのほか、94位の富国生命保険が15.72%減(482.13億円、89.94億円減)などだった。

2023.06.30