国交省、空き家管理業ガイドライン策定
─改正法受け、需要拡大の見込みに対応
改正空き家特措法の成立・公布を受けて、国土交通省は「空き家管理業者向けのガイドライン」の策定に乗り出す。改正法施行は公布後6カ月以内。国交省は年末の施行までに、空き家所有者に求められる管理の具体的内容を指針としてまとめる方針。空き家管理業者ガイドラインは、年末のその内容を踏まえて、24年3月中をメドに策定する方向で検討を始めた。第三者に空き家の管理を委託するニーズの高まりを想定し、有償で空き家管理を受ける場合の留意点をまとめる。
改正法は、窓が割れたままなど、管理が不十分な空き家を「管理不全空家等」と位置付けた。管理不全空家等を固定資産税の住宅優遇特例から除外する仕組みも盛り込む。年末頃にまとめる指針では、どういった内容が適正な空き家の管理なのか示される。一方で、事業として空き家管理を行う場合の注意点をまとめたものはまだなく、国交省は、空き家管理ビジネスの健全な育成も視野に業者向けガイドラインを設ける。
ガイドラインでは、空き家管理契約の際に交わす書面のひな形を示し、管理内容のポイントをまとめることを想定している。カギの預かり方、どこを定期的に点検し所有者に報告するのか、災害時にどのような対応を行うかなど、標準的な空き家管理業務の水準を明確にする。文書のみの管理報告は認めず、写真などを添付した報告を求める考え。
国交省が22年に約4000社の不動産業者・不動産管理業者を対象に行った調査によると、9%の379社が空き家管理を受託し、このうち66%の249社が有償で空き家管理を行っていた。業者ガイドライン策定に向け、国交省は空き家の所有者で第三者に管理を委託している人を対象にした調査も今後行っていく。
2023.06.30