地価LOOK、上昇増加・下落ゼロ続く
―店舗需要の回復継続、マンション堅調も
国土交通省は23年第1四半期(23年1月1日~4月1日)の地価の先行動向「地価LOOKレポート」を公表した。マンション需要の堅調さに加えて店舗需要の回復が継続し、前期に引き続き全国すべての地区で上昇か横ばいとなり、下落はゼロだった。住宅地では23地区すべてで上昇が継続した。全国80地区の内訳は、上昇が73地区(前回71地区)、横ばいが7地区(9地区)。横浜市や名古屋市、京都市、大阪市、神戸市では全て上昇となった。
変動率区分(上昇・横ばい・下落の区分)は4地区が上方に、1地区が下方に移行した。「3~6%上昇」から「6%以上上昇」に上昇幅が拡大したのは福岡市・大濠で、「6%以上上昇」がみられたのは19年第4四半期以来。「0~3%上昇」から「3~6%上昇」に移行したのは京都市・京都駅周辺。「横ばい」から「0~3%上昇」になったのは千葉市・千葉駅前、東京都江東区・青海・台場の2地区。一方、上昇率が「3~6%」から「0~3%」に縮小したのは東京都中野区・中野駅周辺。
大濠の価格動向について、不動産・建設経済局地価調査課は「分譲マンションの販売が好調で需給逼迫が続いており、取引価格の上昇が顕著になった」と説明。青海・台場はインバウンド需要の回復で店舗売上が回復基調にあり、パレットタウンの跡地再開発の期待感から取引需要が底堅く、店舗賃料がやや上昇している。一方、横ばいが続く東京都心中心部のオフィス街は、オフィス床の新規供給が続き解約も一部みられ、賃料は若干弱含みだが、投資意欲は旺盛な状況が続いている。
2023.06.23