国交省、マンション政策大綱の骨子案
─第三者管理の指針整備や自主建替え支援
国土交通省は、「今後のマンション政策のあり方に関する検討会」が7月下旬に予定するとりまとめの骨子(案)をこのほど公表した。大きく分けて、「マンション管理の適正化」と「マンション建替え等の円滑化」に関する各課題を整理。とりまとめは、当面のマンション施策の検討・実施の基本的な認識として、マンション政策全般の大綱と位置付ける。
管理適正化の分野では、管理組合役員の担い手不足への対応策が挙がった。管理会社が管理者となる形の第三者管理について、留意点を示した指針が存在しないことが課題となっているため、ガイドラインを整備する方針を明記した。修繕積立金の安定的な確保という課題に対しては、マンションの寿命を見据えた通常の長期修繕計画よりも長期の計画(超長期修繕計画)を検討する。巨額の管理費を扱う大規模マンションの監査で、専門家の活用も検討していく。超高層マンション特有の合意形成や修繕費用の積立等について、より詳細な調査も実施。調査をもとに超高層マンション管理のガイドラインを整備する。
建替え円滑化の分野では、「デベロッパーが参画しない建替え(自主建替え)マニュアルの整備」が掲げられた。現在のマンション建替えは、容積が余っていて、建替えで生み出された床を販売することで工事費とデベロッパーの利益を確保している。今後は余剰床が見込めずデベの参画が見込めないマンションの増加が想定されるため、マニュアルの整備によりノウハウや資金力がない管理組合の建替え実施を支援する。
検討会は6月19日(第8回)にとりまとめの案を議論。7月24日(9回)にとりまとめを仕上げる予定。
2023.06.02