国交省、各局でGXの取り組みを推進
―住宅・建築物は省エネと木材利用支援
国土交通省分野のGX(グリーントランスフォーメーション)を一層推進するため、「国土交通省グリーン社会実現推進本部」が開催された。政府全体のGXの動向を確認するとともに、国交省各局の取り組み状況の現状と今後の方向性を共有した。
国交省分野のGXの取り組みは多岐にわたる。住宅・建築物分野では、まず30年に新築の住宅・建築物についてZEH・ZEB水準の省エネ性能を確保し、50年にはストックの平均でのZEH・ZEB水準の省エネ性能確保を目指している。30年までに、新築はZEH・ZEB水準の省エネ性能を有した住宅・建築物に必要な投資を、既築は省エネ性能の低い住宅・建築物の省エネ改修に必要な投資をそれぞれ行っていくことで、今後10年間で約14兆円規模の投資実施を見込む。
50年のカーボンニュートラルの実現には、住宅・建築物への木材利用の促進も大きな課題となっている。特に新築建築物では、非住宅建築物と、4階以上の住宅の木材率が低い。非住宅の木造率は7・8%、4階以上の住宅の木造率は0・04%(3階以下の住宅は83・2%)だ。
木材利用促進のため、建築基準の合理化と支援を進めている。建築基準は、構造関係規定と防火関係規定を合理化。支援は中大規模木造建築物のプロジェクト等を支援してきた。支援実績は、23年3月時点で合計119件、うちCLT活用は54件。CLTを使用した10階建ての共同住宅や、木質耐火部材を用いた大規模庁舎などが含まれる。また、中大規模木造建築物の設計に資する技術情報を集約し、設計者へ一元的に提供する取り組みも行っている。
2023.05.19