タワマン設備修繕費、積立計画なし7%
―国交省は実態把握へ、指針への反映視野
国土交通省の調査によると、非常用エレベーターなど超高層マンション特有の設備の修繕費用について、6・5%の超高層マンションが「積み立てる計画になっていない」と回答したことが分かった。全国の超高層マンションの管理を受託する管理会社62社を調査した。国交省は今後、超高層特有の修繕項目とその修繕に必要な金額について、初の実態把握に乗り出す。
調査は今年2月に実施。超高層M特有の修繕項目としては、非常用EVのほかタワーパーキング、内廊下内の空調設備、セントラルヒーティング、スプリンクラー、免震装置など多数挙がった。こうした超高層M特有設備には、修繕工事に多額の費用を要するものが少なくない。国交省のマンションの長期修繕計画の指針「長期修繕計画作成ガイドライン」には、非常用EV、タワーパーキング、非常用発電設備については「推定修繕工事項目」として記載があるが、調査ではガイドラインに記載がないものも多く挙がっている。
00年代後半に供給された多くの超高層Mが大規模修繕の時期を迎える。特有設備の修繕工事は実績も少ないため、計画していても実際に要した費用と乖離してしまう可能性がある。今回の調査は「今後のマンション政策のあり方に関する検討会」向けの資料として実施された。より詳細な情報を集めるため、国交省は超高層M特有の修繕項目と費用の実態把握を進め、ガイドラインに反映させることを視野に入れる。
また、マンションの管理や再生に対する国民意識啓発のため、「住生活月間功労者表彰」に、この分野で活躍した団体や個人を23年度から対象として明確に位置付ける。表彰には関係機関等の推薦が必要で、国交省はマンション分野での推薦の呼びかけを始めた。
2023.05.12