22年度着工、持家が過去10年で最低水準
─国交省、コロナと資材高騰により低調
国土交通省は、建築着工統計調査報告の22年度計をまとめた。22年度の新設住宅着工戸数は前年度比0・6%減の86万828戸となった。過去10年では下から2番目の低水準。うち持家は24万8132戸(前年度比11・8%減)で、過去10年で最低の水準となった。持家が25万戸を切るのは過去10年で初めてで、持家の低調ぶりが目立つ。
22年度の持家について国交省は、事業者に行ったヒアリングをもとに「コロナのオミクロン株流行で来場者数が減ったことに加え、ウクライナ危機による資材価格の高騰から消費者マインドが低下した。この二つが受注減につながった」と分析する。
貸家は34万7427戸(5・0%増)で、2年連続の増加。過去10年では上から7番目の水準。貸家は好立地に土地を持つ法人からの引き合いが堅調で受注は安定的に推移している。分譲住宅は25万9549戸(4・5%増)で、2年連続の増加。過去10年で上から3番目の水準。うちマンションは11万3900戸(10・8%増)で、4年ぶりに増加した。分譲戸建ては14万4321戸(0・1%増)で2年連続増加。
併せて23年3月単月の着工戸数も発表された。3月の新設住宅着工戸数は7万3693戸(3・2%減)で2カ月連続の減少。過去10年で3月としては上から5番目の水準。このうち持家は1万7484戸(13・6%減)で、過去10年で最低となった。また、3月に持家が2万戸を切るのは過去10年で初めて。貸家は3万2585戸(0・9%増)で25カ月連続の増加。分譲住宅は2万3053戸(0・4%減)で2カ月連続の減少。分譲戸建ては1万1583戸(6・9%減)で5カ月連続の減少。
2023.05.12