国交省、スマートシティの連携事例公表

―観光や地域活性化で有用サービス創出

 国土交通省は、「スマートシティサービスの連携ユースケース」をまとめた。全国各地で様々なスマートシティの取り組みが進められている一方、スマートシティ先進都市では、分野間・都市間の連携で苦慮している一面がある。国交省は連携によりさらに有用なスマートシティサービスを構築できることを整理し、取り組みを拡大させたい考えだ。

 観光や地域活性化分野、防災分野のなかで、比較的ニーズの多い以下の5つのパターンを整理した。①AIカメラを用いて「まちなかの情報」を取得したデータを用いたまちづくり②アプリを用いた「まちなかの情報」の提供による賑わい創出③パーソナライズ情報提供等による、災害発生時の避難支援の迅速化・高度化④発災箇所のリアルタイムデータの共有等による、情報伝達の迅速化⑤3D都市モデルを用いた被害状況の可視化等による、様々な防災の取り組みの高度化。

 それぞれ、全体像とサービス概要、データ体系・技術について解説している。例えば観光・地域活性化分野は、AIカメラで取得した来街者の属性データ(性別や年代)、行動データ(移動方向)、群衆データ(通行者数)を活用し、個々の来街者に合わせたサービスの周知やプロモーション、店舗・施設のリアルタイムの混雑状況の情報提供を行う取り組みを紹介。
 関連事例として、利用者属性に適した店舗や施設の限定クーポン(QRコード)をデジタルサイネージで表示し、それをスマートフォンで読み取って使う六本木商店街振興組合の取り組みを挙げている。AIカメラから得た来街者データを、別の既存データ(店舗・施設・イベントなどのデータ)とかけあわせることで来街者ニーズに寄り添うサービス提供が可能になる。

2023.05.12