21年住宅ローン、変動金利型が過去最高

―国交省、既存住宅向け融資初の20%超え

 国土交通省は、「22年度民間住宅ローンの実態に関する調査」の結果をまとめた。21年度の個人向け住宅ローンの新規貸出額の実績は20兆7948億円だった。コロナ禍で住宅着工が減少した20年度からは9811億円の増加となった。

 新規貸出額を金利タイプ別にみると、変動金利型が76・2%で最も割合が高かった。変動金利型の増加は5年連続で、03年度の調査開始以来過去最高となった。次いで固定金利期間選択型が13・5%(前年度16・6%)、証券化ローンが6・8%(10・3%)、全期間固定金利型が3・4%(3・0%)。新規貸出額における使途別割合は、新築住宅向けが73・4%(74・4%)、既存(中古)住宅向けが20・8%(19・9%)、借換え向けが5・8%(前年度と同じ)だった。既存住宅向けの増加も5年連続となり、20%を超えるのは03年の調査開始以来初となった。

 賃貸住宅の建設・購入に係る融資(アパートローン)の新規貸出額実績は2兆6700億円で、20年度より4540億円増加した。新規貸出額を業態別にみると、最も多いのは「地銀」で8485億円。

 住宅ローン商品のうち、現在商品として取り扱っている割合が高いのは「金利タイプ(変動金利型)」が95・7%、「金利タイプ(固定金利期間選択型)」が93%だった。商品化を検討中の割合が高い住宅ローン商品は、「リバースモーゲージ」で、17・4%となっている。一方で、取り扱っていたが廃止したという商品で最も割合が高いのは「金利タイプ(全期間固定金利型)」の11・9%。

 調査には国内銀行を中心に1136の金融機関が回答(うち住宅ローン取扱い1039機関)した。

2023.04.14