21年の既存住宅流通は過去最大の61万件
―FRK、東京23区はコロナ前より減少
不動産流通経営協会(FRK)は、21年のFRK既存住宅流通推計量(暫定値)を公表した。全国ベースの推計値は61万485件(20年比7・5%増)で調査開始以来の過去最高値となった。19年比でも1・0%増加。既存住宅流通比率は41・6%(0・6㌽増)に上昇した。東京23区は11万4000件(20年10万6000件)に増加したが、12万件台だった17~19年に届かなかった。千葉県の千葉(千葉市、習志野市)や埼玉県のさいたま(さいたま市、戸田市、蕨市)は、19年から3年連続で増加した。
21年の流通量は、全国でコロナ前の19年の水準に戻したが、東京23区は19年並みには回復しなかった。北区・荒川区7100件(5400件)、足立区・葛飾区8700件(6600件)などのエリアは、減少から回復に転じて19年より増加した。一方、世田谷区7400件(7500件)、新宿区7400件(7800件)、品川区5200件(6800件)などは19年から減少が続いた。墨田区・江東区1万3000件(1万3200件)は20年に若干の増加。千代田区・中央区・文京区10万2000件(8万9000件)などは、回復基調だが19年の水準に到達しなかった。
首都圏では、21年に東京近郊の流通量の件数増がみられた。千葉は8300件(7000件)、さいたまは8700件(7200件)で19年から増え続けた。FRKは「コロナ禍で住宅地として好まれ、プラスに働いた」と分析している。
22年の既存住宅の流通量については、「レインズのデータを参考にすると、21年より減少して20年の数値に近くなるのではないか」(FRK)と見通す。
2023.03.03