国交省、マンション長寿命化モデル事業4件採択
―工事に向けた合意形成の方策など評価
国土交通省は、高経年マンションの再生を支援する「マンションストック長寿命化等モデル事業」の22年度第3回募集について、採択結果を公表した。7件の応募があり、計画支援型2件、工事支援型(長寿命化改修工事)2件を採択した。
画支援型には東京都の「梅島ハイツ」(総戸数51戸、築約50年、提案者=ジェスコン)、福岡県の「103大稲マンション」(60戸、築約50年、ラプロス)が選ばれた。「梅島」は、建替え後に保留床を一括で買い取る事業協力者が見つかりにくいと考え、マンション建替組合が保留床の新規取得者を募集する方式での建替計画を進める。保留床が少ない中小規模物件で、還元率が低いなか合意形成に向けた方策と見通しを示している点などが評価された。「大稲」は、店舗や事務所を含む複合物件で、共用部分のみの大規模改修、専有部分の除却更新を含む大規模改修、建替えの3パターンのシミュレーションを行う計画。独自性と合意形成に向けたプロセスの具体的提示が評価された。
工事支援型は神奈川県の「座間入谷ハイツ住宅」(300戸、築約40年、同管理組合)、東京都の「秀和高円寺レジデンス」(210戸、築約50年、ジャパン・エンヂニアリング)が採択された。「座間入谷」は、給水管更新や給水方式の変更のほか、専有部分も含めた排水管改修を行う。工事計画の合理性、専有部分の横枝管も含めた改修で管理規約を改正済みであることなどが評価された。「秀和高円寺」は、上階の排水制限を低減する1階床下排水管の改修工事を行う。20年度の同事業の採択を受け取り付けた、共用排水立管のメンテナンス用接続継手を活用する。アイデアの独自性と合意形成の工夫などが評価された。
2023.01.27