国交省、都市計画情報のオープン化推進

─3D都市モデルや不動産IDと連携視野

 国土交通省は、都市計画情報のデジタル化とオープン化を進める。都市計画情報は、様々なデータと組み合わせれば、より高度なまちづくりやイノベーション創出、業務効率化を実現できる可能性がある。一方で、計画主体の地方自治体では、一部が紙で扱われていたり、データフォーマットが統一されていなかったりと課題も多い。国交省はこうした課題を整理し、都市計画情報をより高度化するためのガイダンスを3月に策定する方針だ。

 都市計画情報には、都道府県や市町村が作成する地形図「都市計画基本図」、これに付随する「都市計画基礎調査」「都市計画図書」がある。都市計画のための情報であり、これまでは役所内だけで活用されてきた。作成時のデジタル化ツール(都市計画GIS)の自治体の導入は02年の11%から21年は54%と一定程度進んでいるものの、縦覧対象の都市計画図書はオンラインで縦覧を行っている自治体はゼロ(21年調査)。

 国交省は、年度末までに都市計画GISの利活用方法と事例を中心に「都市計画情報のデジタル化・オープン化ガイダンス」をまとめる方針。従前の都市計画GIS導入ガイダンス(05年策定)を抜本的に見直し、新技術を活用したデータ整備とその効率化の道筋をより具体的に示す。また、都市計画データの標準製品仕様書も改訂し、3D都市モデルのベースデータとして利用できるようにする。

 3D都市モデルとの連携が主軸となる。3D都市モデルを用いた基本図と基礎調査の一体化や、都市計画決定情報の表示(高さ規制など)を構想。3D都市モデルと不動産IDとの連携も見据えており、土地利用の最適なポリゴン単位を検討する。

2023.01.27