23区10月マンション、秋商戦で価格上昇
―不動産経済研、供給戸数はコロナ禍以前の水準に
不動産経済研究所は東京23区における10月の新築分譲マンション需給動向をまとめた。供給戸数は前年同月比9戸増の1080戸に。戸当たりの平均価格は9365万円と910万円上昇したが、㎡単価は143・3万円と1・2万円低下。初月契約率は9・2㌽減の64・5%と大きく下がった。金融不安や資材高などで各社が売り控える動きが続いていたが、本格化する秋商戦で高価格帯の新商品が相次ぎ投入され、平均価格が上がった。平均価格1億円以上の物件数は14件で、千代田区の1物件は2億円を超えた。
昨年は9月と11月に大型物件が売られ、10月は比較的供給が少ない谷間の時期だった。供給戸数は一昨年10月の1560戸に対し昨年10月は1071戸と500戸近く減った。ただ昨年と今年の10月の供給戸数は、新型コロナの感染が広がる直前の19年10月(1030戸)とほぼ同規模に戻った。契約率は期分け物件に限ると60・4%と低調。戸当たりの平均面積は前年同月の58・51㎡に対し65・34㎡と7㎡近く増えた。
今年10月の販売在庫数は2251戸と前年同月比で312戸も減ったが、前月との比較では117戸増えた。新規(1期)の販売は17物件(合計633戸)で、期分け販売は48物件(447戸)。前年同月は新規19物件(607戸)、期分け47物件(464戸)だった。物件別の販売戸数は「ザ・タワー十条」(1期105戸)以外は100戸を下回った。区ごとの供給戸数が最も多いのは北区(170戸)で、次点以下は品川区(138戸)、豊島区(85戸)など。目黒区は前月同様、供給がなかった。平均価格が最も高いのは千代田区で1億7589万円。
2022.12.09