都、区部事務所着工床面積が140%増
―「東京の土地21」、全地域で前年上回る
東京都が都内の土地と建物の利用状況や事務所の着工床面積などをまとめた「東京の土地2021」によると、21年の区部事務所着工床面積は前年比140・5%増の約269万㎡に急増した。地域別でも全地域で前年を上回った。都心3区(千代田区、中央区、港区)は180・3%増の180万5000㎡、渋谷区・新宿区は317・5%増の45万9000㎡、周辺18区は16・4%増の42万3000㎡。床面積の対前年増加量は0・4%(約37万㎡)増で、うち約15万㎡が都心3区で増加した。
2000㎡以上の大規模土地取引は、届出件数が前年から67件減って509件だったが、届出面積は79・6%増の329万8400㎡と大幅に増え、5年ぶりに300万㎡を超えた。建物別の届出面積は商業施設が3倍強の146万㎡となったほか、住宅等、工場倉庫、娯楽施設、農林水産など8分野中6分野で伸長した。不動産証券化による信託受益権売買届出件数は、23件増の88件。用途別件数では商業施設が半数強の46件、住宅等が23件を占める。地域別件数は区部都心部が25件、区部南西部が26件、区部北東部が19件、多摩地域が18件。
比較対象の20年は、19年比で面積ベースの大規模土地届出が20・8%減の184万㎡と99年以降で最小で、事務所着工床面積が14・5%減の112万㎡と06年以来の低水準だった。都の用途別地価公示価格も1・0%減と8年ぶりに下落していた。22年の地価公示は全用途合計で21年比0・9%増のプラスに転じた。目的別では住宅地が1・0%、商業地が0・6%、工業地が1・9%それぞれ増加している。
2022.12.02