地場の不動産仲介業は売買の需要が堅調
―アットホーム調べ、賃貸は回復傾向続く
アットホームは、7~9月期の全国14エリアにおける地場の不動産仲介業の景況感調査をまとめた。売買仲介の業況DIは、首都圏45・9(4~6月期比0・6㌽増)、近畿圏43・7(1・3㌽増)と2期連続で上昇した。賃貸仲介の業況DIは、首都圏43・5(2・8㌽減)、近畿圏39・1(2・5㌽減)と2期ぶりに下落したが、前年同期比で首都圏は4・6㌽増、近畿圏も1・8㌽増と回復傾向が続いている。
調査は9月15~26日に実施。加盟店に、居住用の不動産流通市場の景気動向について尋ねた。有効回答数は1988店。売買仲介では、経済・景気の先行き不安と物件価格の高騰で、買主側は「予算との乖離が生じ、なかなか成約しない」という声や、売主側の「じっくり高く売りたい」という声があった。エリア別の業況DIは、14エリア中9エリアで前期より上昇。首都圏で、東京都下50(8・3㌽増)を始め郊外が上昇した。宮城県は51・3(4・5㌽増)と14エリアで最高。来期の見通しは11エリアで低下した。
賃貸仲介では「単身者でも1LDKを選ぶ」「単身者の動きが少なくワンルームの需要が減少」などの回答があった。ウィズコロナが定着したとの声も多く、回復傾向を維持した。エリア別の業況DIは、14エリア中11エリアで前期から下落。首都圏は埼玉県、千葉県、東京都下の郊外が5㌽を超える大きな下落となった。来期の見通しは9エリアで上昇した。
アットホームラボ・データマーケティング部の磐前淳子部長は、「売買は、一次取得の希望者が価格上昇で断念して賃貸にとどまる場合もみられる。賃貸で増加する高齢者のニーズへの対応が進めば、空室が埋まる要素になっていくかもしれない」と語った。
2022.11.25