人流回復で商業・店舗系地価が回復傾向
―地価LOOK、住宅は全地区で上昇継続
国土交通省は、22年第3四半期(22年7月1日~10月1日)の地価の先行動向「地価LOOKレポート」を公表した。経済活動の正常化が進み人流が戻るなか、店舗需要の回復により商業地では上昇地区数が増加。住宅地は前四半期に続き全地区で上昇が継続した。その結果、地価LOOKの全国80地区の内訳は、上昇65地区(前回58地区)、横ばい14地区(17地区)、下落1地区(前回と変わらず)となった。
変動率区分(上昇・横ばい・下落の区分)は、11地区が上方に移行、68地区が不変、1地区が上昇から横ばいに移行した。住宅地は全地区が前回と同じ区分で継続となったため、変動率区分に動きがあったのは全て商業地。変動率区分が下落・横ばいから上昇に移行した地区は8地区で、東京・豊島区・池袋東口、静岡市・静岡駅周辺、大阪市・茶屋町、心斎橋、なんば、阿倍野、高松市・丸亀町周辺、沖縄・県庁前。下落から横ばいに移行した地区は、福島県郡山市・郡山駅周辺、東京・港区・六本木、長野市・長野駅前の3地区。
人流回復を受けて、商業地では店舗系の回復が目立った。オフィスは、前四半期に上昇へ移行した地区が増えた。今回のオフィスについて国交省は「変動率区分が前回の状況を継続したものが大半。下落から横ばいに移行した地区のうち六本木については、前回オフィスの空室がみられ下落となったが、今回は新規の需要がみられたため横ばいになった」(不動産・建設経済局地価調査課)としており、上昇傾向が続く。
住宅地はマンション需要が引き続き堅調で、全地区で上昇。なかでも福岡市中央区の「大濠」は全地区で唯一の「3~6%上昇」の高い上昇となっている。
2022.11.25