自民政策懇、税制改正向け各団体が要望
―買換特例延長や100万円控除の拡充を
自民党は11日、「予算・税制等に関する政策懇談会」を開き、住宅・不動産団体から税制改正要望などを聞いた。各団体からは長期保有土地を対象とした事業用資産の買い換え特例の延長や、空き家の発生抑制や利活用の促進につながる「低未利用土地の100万円控除特例」の拡充、高経年マンションの長寿命化修繕を後押しする税制特例の新設を求める声が上がった。
不動産協会は「設備投資減税」として、買い替え特例の延長と、都市再生促進税制の二つを最重点要望項目とした。日本ビルヂング協会連合会や不動産証券化協会も要望項目に掲げた。全国宅地建物取引業協会連合会は、低未利用地の譲渡所得に対する最大100万円の控除特例の延長と、譲渡価格の上限を現行の500万円から800万円への引き上げを要望したほか、「空き家の譲渡所得3000万円特別控除」を拡充し、譲渡後に耐震改修工事や除却を行った場合も対象にするよう特に求めた。全日本不動産協会も両項目を強く要望したほか、「二地域居住等を促進する政策の実現」を政策要望として求めた。
住宅生産団体連合会と全国住宅産業協会は、「長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに対する特例措置の創設(固定資産税の減額)」を重点的に要望。不動産流通経営協会は住宅ローン減税の最低床面積要件の引き下げを新築住宅と同様、既存住宅も対象とするよう求めた。全国賃貸管理ビジネス協会は、大規模修繕積立金の損金算入制度の拡充などを要望した。自民党の津島淳・国土交通部会長は要望を踏まえ、「暮らしの根幹は住まいだ。頂いた意見を今後の予算・税制にしっかり反映していく」と話した。
2022.11.18