国交省、空き家対策小委員会がスタート
―発生抑制や活用促進など4テーマ掲げる

 国土交通省は25日、社会資本整備審議会住宅宅地分科会のもとに設置した空き家対策小委員会の初回会合を開いた。検討会のテーマは、空き家の発生抑制、活用促進、管理適正化、除却促進の4つに整理。23年1月頃に取りまとめを行う方針。

 全国に空き家は18年末時点で849万戸あり、20年間で約1・5倍になった。このうち、賃貸・売却用にもなってなく長期間人が住んでいない「その他空き家」は349万戸で、20年で1・9倍に増加(総務省調査)。国交省は、その他空き家は30年には470万戸程度に増加するおそれがあると試算する。

 小委員会では、空き家の発生抑制のため、相続時など家屋が空き家となるタイミングと、その前段階での対応を検討する。活用促進は、空き家の流通促進と活用支援策の強化、一定エリア内での重点的活用を論点とする。地方自治体・民間主体が、特に積極的活用の意向がない所有者と、購入や賃借での活用を希望する人の相談に応じて支援する取り組みを議論する。

 管理適正化のためには、空き家所有者の管理に対する意識の欠如が課題。所有者の空き家への管理意識を醸成し、管理不全状態の空き家となる前段階での適切な管理手法を探る。活用困難な空き家には、除却の支援も強化する。NPOなどの民間主体が、管理者へ管理・除却を働きかけたり、管理を実施したりする仕組みを議論する。

 初回はこのほか、放置された空き家をなくすための対策に取り組むNPO法人空家・空地管理センターや栃木市などの活動紹介を行った。次回は11月22日に4つの検討会テーマの活用事例を紹介する。

2022.11.04