国交省、宅建の登録講習修了証を電子化
―専任の宅建士のネット公開は慎重議論
国土交通省は、宅建業者の従業員を対象とする登録講習(宅地建物取引士資格試験の5問免除要件)について、従来は紙で郵送されていた「登録講習修了者証明書」を廃止する方針だ。受講と修了試験を終えた人には修了番号を通知し、宅建の5問免除は受験申し込み時に修了番号の記載で済むよう合理化を図る。
デジタル庁がこのほど実施したヒアリングで明らかにした。従来は、5問免除の申請には宅建の受験申し込み時に紙の修了証を添付する必要があった。修了証をデジタル化するとともに、紙の修了証は希望制にして原則廃止し、業務の合理化を図る。国交省は24ある登録講習機関と都道府県、試験機関の不動産適正取引推進機構と連携し、早ければ来年の宅建試験から紙の修了証を廃止する。
デジ庁のヒアリングは、常駐・専任や対面講習、書面掲示、往訪閲覧・縦覧の規制緩和を検討するため実施された。宅建業関連では、事務所などに掲げる義務がある標識(宅地建物取引業者票)のオンライン化も議題となった。
宅建業者の情報は、国交省の企業情報検索システムが既にオンラインで提供している。標識には免許番号や代表者氏名などの基本情報に加え、専任の宅建士の氏名も記載する必要があるが、検索システムでは専任の宅建士氏名は公表されていない。デジ庁は、アナログとデジタルのイコールフィッティングの考えから、提供する情報を揃える必要はないか提案するが、国交省は個人のプライバシーが悪用されるリスクに言及。他の士業とのバランスをみながら、今後継続して検討することとなった。
2022.09.09