内閣府、都市再生基本方針の改正案公表
─地方のイノベーション力強化、DX推進
内閣府は、都市再生基本方針の改正案を公表した。「まちづくりのデジタル・トランスフォーメーション」の推進などを盛り込む考え。テレワークの普及やデジタル化の進展を中心に、前回の改正(20年9月)から都市を取り巻く環境は大きく変化した。変化を受けた新たな項目を追加した改正案に対し、30日まで意見を公募し、年内の閣議決定を目指す。
「都市再生の意義及び目標」には、デジタル化の進展を踏まえ、「大都市圏と地方都市とが交流・連携することを通じて、地方都市のイノベーション力の強化と、それを支える大都市の国際競争力の強化を実現する」と加える。
「都市再生の施策に関する基本的な方針」には、岸田政権が掲げる「デジタル田園都市国家構想」の推進に向けた施策が並ぶ。新たに「まちづくりのDXの推進」の項目が加わる。スマートシティの実装、3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化などが記載された。既存の「SDGsを踏まえた持続可能な都市創造」の項目には、「地方都市のオフィス需要や老朽化の状況を踏まえると、再開発事業だけでなく、リノベーションなどの手法を用いて、都市を柔軟に再構築する」と、時代を反映した一文も加わった。
都市再生基本方針は、都市再生特別措置法に基づき内閣総理大臣が案を作成するもので、都市再生に関する施策の重点・計画的推進のための考えを示す。基本方針の内容変更は通常、同法の改正に合わせて実施されるが、今回は法改正は伴わない。同法所管の内閣府地方創生推進事務局に設置された有識者会議が20年度から議論し、都市再生施策でのデータ活用の重要性などを挙げていた。
2022.08.26