各地のスマートシティの取り組み高度化
―国交省、複数サービス連携の指針作成

 国土交通省は、スマートシティの全国拡大に向けて、先進的な取り組みをより高度化する支援と、導入に向けた初期段階支援の2つに注力する。22年度中に、高度化のためのガイドラインを作る。導入支援としては各地の取り組みを整理した事例集を作成する方針。

 国交省はこれまで、先進的な取り組みを実施する地区に対しては、「スマートシティ実装化支援事業」などで予算支援を行ってきた。導入段階向けとしては「スマートシティガイドブック」や知見集を作成している。28日に行われた第1回スマートシティモデル事業等推進有識者委員会では、各地域がスマートシティに取り組む段階別に、求められる支援を整理した。先進的な取り組みを実施している都市は、個別サービスのデジタル化の次に特定分野の複数サービスの連携が求められるが、予算支援はあってもノウハウ支援が整備不足であることが分かった。スマートシティ初期実施段階の都市には、横展開に向けた支援が必要とした。

 先進的な取り組みの更なる高度化を目指すために「複数サービスの連携に向けたガイドライン」を作成する。22年度は、「防災」と「観光・地域活性化」を対象にする。28日の会合で示されたたたき台には、それぞれの分野内の個別サービスのデジタル化事例と、複数サービスを連携させた事例が盛り込まれた。委員の意見を反映しつつ年度内にまとめる。

 導入支援の事例集「スマートシティ事例集【導入編】~都市問題と新技術のマッチングに向けて~」は、作成主体の国土技術政策総合研究所が素案を提示。プロジェクト単位の紹介ではなく、都市問題と新技術を分類し、その組み合わせ例を挙げている。事例集は、9月までに国総研のホームページなどで公開する。

2022.08.05