国土形成計画、中間とりまとめを公表

―国交省、国土の課題解決に4つの原理

 国土交通省は15日、新たな国土形成計画(全国計画)の中間とりまとめを公表した。コロナ禍を受け、生活・経済の変化とデジタル化の進展を踏まえた新しい国土づくりの方向性を提示。国土の課題解決のため、4つの原理を示し、原理に沿った重点的取り組みも盛り込んだ。

 国土の課題は、人口減少・少子高齢化、巨大災害リスク、気候変動対応(カーボンニュートラル実現)、東京一極集中の是正、地方の暮らしに不可欠な諸機能の確保、国際競争力の強化、エネルギー・食料の安定供給と整理。これらを解決するための「新たな発想による令和版の解決の原理」として、①民の力を最大限発揮する官民共創②デジタルの徹底活用③生活者・事業者の利便の最適化④分野の垣根を越えること(いわゆる横串の発想)―を挙げた。

 4つの原理のもと、特に重点的に取り組む分野は、「地域の関係者がデジタルを活用して自らデザインする新たな生活圏」「多様なニーズに応じあらゆる暮らし方と経済活動を可能にする世界唯一の新たな大都市圏」「産業の構造転換・再配置により、機能を補完しあう国土」「住民自らが話し合い、官のサポートで人口減少化の適正な土地の利用・管理の方向性を示す管理構想の推進方策を強化し全国展開」とまとめた。

 4つの原理と原理に基づく4つの重点的取り組みを通じて、持続可能な国土の形成と、地方から全国へのボトムアップの成長、東京一極集中の是正を目指す。国土形成計画は、08年、15年に続き、次は第3次計画。国交省の国土審議会計画部会が21年9月から議論を行っており、中間とりまとめをもとに更に議論を深めて、23年夏頃の計画策定を予定する。

2022.07.22