国交省、まちづくりDXビジョンを策定

─4つの重点テーマ、不動産ID活用も

 国土交通省は、「まちづくりのデジタル・トランスフォーメーション実現ビジョン(Ver1.0)」をとりまとめた。3つのビジョン、4つの重点取組テーマなどで構成されるビジョンで、従来のまちづくりから仕組みそのものを変革していくことが掲げられた。

 ビジョンは7日夕に開催された有識者会議で策定された。3つのビジョンは①持続可能な都市経営(サステナビリティ)②一人ひとりに寄り添うまち(ウェルビーイング)③機動的で柔軟な都市設計(アジャイル・ガバナンス)─と定めた。ビジョンを実現するための施策である重点取組テーマは、「都市空間DX」「エリマネDX」「まちづくりデータの高度化・オープンデータ化」「3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化(プラトー)」の4つ。

 4つの重点取組テーマのロードマップも示した。まちづくりデータの高度化・オープンデータ化には、具体的には「都市計画基礎調査等の都市計画情報の高度化・オープンデータ化の推進」が含まれている。各地方自治体の都市計画情報のオープンデータ化を進め、30年度までにオープン化の実現と、都市計画決定のための基礎データとしての利用を超えて、不動産・防災など他分野でのイノベーション創出を図る。

 まちづくりDX施策の中心的な存在となっている3D都市モデル「プラトー」は、多様なデータとの相互流通性確保を進めていく。22年度中に不動産・建設経済局の「不動産ID」等とプラトーを紐付けるための技術検証と、ユースケース開発実証を行う。23年度に実証調査を踏まえた反映を検討し、30年度までに多様なユースケースの社会実装を目指す。

2022.07.15