骨太方針に二地域・多地域居住の促進
―省エネ加速、サステナブル金融拡大も
政府は5月31日夕、経済財政諮問会議を開き、経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太方針)の原案を示した。来年度の予算編成の基本方針である骨太に、同日に発表された新しい資本主義実行計画の内容が反映され、人やイノベーション、GX・DXなどへの投資を重点的に行うことが盛り込まれた。
政府が力を入れる脱炭素関連は、GXへの投資の分野に入った。省エネ住宅の購入・改修支援を含めたZEH・ZEB等の取り組みを推進する。グリーンボンド等の環境関連商品が取引されるグリーン国際金融センターの実現や、TCFD等に基づく開示の質と量の充実など、サステナブルファイナンス市場の拡大に向けた早急な環境整備も図る。
「社会課題の解決に向けた取組」も、新しい資本主義に向けた改革の大きな柱のひとつ。このなかに、「関係人口の拡大と個性を活かした地域づくり」が項目として入った。具体的には、二地域・多地域居住と「転職なき移住」を促進し、関係人口の実態把握と、ふるさと納税などの地域の取り組みを後押しする。地方企業や地域人材との交流と連携の促進、企業版ふるさと納税の活用によるサテライトオフィスの整備を進める。
このほか、中長期の経済財政運営の方針部分に、まちづくり関連が盛り込まれた。人口減少を見据えた立地適正化の推進や、建築・都市のDX等の活用と都市再生の促進、公園の利活用等による人間中心のまちづくりを進める。質の高い住宅の流通を図るため、IoT住宅の普及や不動産情報の活用等の取り組みを総合的に進める。空き家等の利活用や、基本方針に基づく所有者不明土地等対策を進めることも記載された。
2022.06.10