分配金成長率、0.2㌽低下の0.7%

―三井住友T研、21年下期のJリート調査

 三井住友トラスト基礎研究所がJリート全銘柄の公表データを分析した21年下期(7~12月)の「Jリートレビュー」を公表した。対象銘柄の中央値でみた分配金の成長率は前年同期比0.7%のプラスとなり、21年上期(+0.9%)を下回ったが、プラスを維持した。前期(21年上期)と同様に6割の銘柄がプラス成長だった。

 物流銘柄は2ケタ成長も多く堅調な一方、ホテルは引き続き厳しいとする。オフィスは稼働率低下が続くが、過半はプラス成長だった。1口当たりNAVの成長率は前年同期比2.2%のプラスで、前期(+1.5%)を上回った。成長率プラスの銘柄が8割を超え、マイナスは前期より減少。物流施設や住宅で鑑定評価額の上昇が強まり、物流銘柄以外にプレミアム増資効果が広がったことで、約7割の銘柄の成長率が前期を上回った。不動産売却益は合計282億円で、前期(177億円)から約6割増となった。

ポートフォリオのNOI利回りは平均4.7%で、前年同期(4.8%)から低下。ホテルセクターは売上と賃料にタイムラグのある銘柄の低下が影響し、3.0%(前年同期は3.3%)とさらに低下した。オフィス、物流・インフラ、複合・総合は前年同期からそれぞれ0.1㌽低下。オフィスは稼働率低下、物流・インフラは既存ポートフォリオを下回る利回りでの物件取得が影響した。期中に発表した物件取得額は約8800億円で、オフィスが47%、物流施設が21%を占めた。

 平均取得NOI利回りは前期から0.1㌽低下の4.3%。物件譲渡額は約3000億円で、オフィスが57%、商業施設が24%を占めた。

2022.04.08