21年のホテル投資額は前年比133%増
―JLL、22年はさらに40%拡大と予想
ジョーンズラングラサール(JLL)は世界における21年通年のホテルの売買取引額が前年比133%増の668億米ドルに増えたとの調査結果をまとめた。コロナ禍以前の19年は730億ドル、20年は286億ドルと一時的に大きく減ったが翌年に急回復した。21年の実績は19年比で22%減と完全に戻ってはいないが、プライベートエクイティ投資家のホテル取得額が325億ドルと全体の50%に上るなど総額をけん引した。22年の取引総額は今年よりも35~40%増え、投資額のピークだった15年の実績を上回ると展望している。
昨年のホテル取引はコロナ禍の打撃からの回復が鮮明になった。北米などで25億ドル超の大型取引が3件あった。リゾート地のホテル売買は19年比で17%増の92億ドルとコロナ禍前を上回った。世界の不動産市況には不確定な要素があるが、JLLは現時点で今年の総額は15年の929億ドルをやや上回ると予想する。
21年の地域別の投資額は北米・南米が269%増の386億ドルと回復が著しく、19年との比較でも32%増と上回った。世界全体の60%を占める規模だ。
一方、EMEA(欧州・中東・アフリカ)も20年比で60%増と回復したが、複数の国でロックダウンが行われたことなどが響き、19年比では35%減とコロナ禍以前の水準を下回った。世界の総額に占める同圏の割合は30%と北米・南米の約半分だ。アジア太平洋圏(APAC)も20年比39%増、19年比40%減の85億ドルと、EMEAに近い増減カーブになった。
JLLはホテルへの投資額が今年はさらに40%ほど増えると読む。根拠としてプライベートエクイティの手元資金が過去最高水準にある点などを挙げている。
2022.04.01