JLL、21年の不動産投資額は54%増
―日本の実績は2%減、東京は世界7位
21年通年の世界の不動産投資額が前年比54%増の1兆2500億米ドルと拡大したことがジョーンズラングラサール(JLL)の調査で分かった。集計値は昨年12月31日時点。年後半に国をまたぐ不動産取引が活発になり、コロナ禍の悪影響を跳ねのけて通年の実績は調査を始めて以来、最大規模になった。都市別投資額は首位が414億ドルの米ロサンゼルスで、東京は7位(235億ドル)。日本の通年の投資額は2%減の4兆4891億円とやや減少した。
JLLがまとめた「ジャパンキャピタルフロー(21年通期)」によると、日本の投資額は通年ではやや減ったものの、第4四半期は前年同期比20%増の1兆3418億円(米ドル換算では10%増の118億ドル)と増えた。日本から海外への不動産投資は9億3500万ドルと前年並み。海外から日本に向いた投資は1兆814億円(20年は1兆5548億円)と縮小したが、コロナ禍直前の19年実績をやや上回った。
アセット別に日本の投資比率をみると、オフィスは20年の32%に対し47%と拡大した。物流施設は19%(前年31%)、レジデンスは11%(21%)といずれも縮小した。リテールは8%から15%へと倍増し、ホテルは5%とほぼ横ばいだった。地域別では東京都心5区が10㌽増の39%と回復した。大阪圏は2㌽増の20%とほぼ横ばいだった。
不動産を購入した主体別ではJリートが5㌽増の36%と最も多く、私募ファンド(28%)、不動産会社(24%)などと続く。一方、売却した主体別では不動産会社(44%)、事業会社らその他(30%)、私募ファンド(17%)、Jリート(10%)の順だった。
2022.03.25