都心5区、募集物件数の急増に歯止め

―アットホーム、小規模オフィスの動向

 アットホームは9日、21年下期(7~12月)の東京とその他主要エリアの小規模オフィスの募集賃料動向をまとめた。都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の19年上期を起点とした募集物件数の指数をみると、新型コロナウイルス感染症が拡大した20年上期から続いていた物件数の急増に歯止めがかかった。一方、その他18区と都下は依然として増加が続いている。

 アットホームの不動産情報ネットワークに登録・公開された駅徒歩10分以内で1フロア50坪以下の小規模オフィスの動向を調査した。都内を都心5区とそれ以外の18区、都下に分け、19年上期を100とした募集物件数の指数をみると、都心5区は20年上期が102.7、20年下期が130.0、21年上期139.3と急増していたが、21年下期は139.4と、ほぼ横ばいになった。その他18区は20年上期の85.0から95.8、98.9、101.8と、20年下期以降緩やかに増加が続く。都下も20年上期の106.9から、108.4、107.8、113.6と増加傾向が続く。区別にみると、渋谷区と千代田区が前期から減少。渋谷区は19年下期の99.0から、124.0、175.4、174.7と急増してきたが、21年下期は152.7と大幅に減少した。同社は「渋谷区はIT企業に人気が高く、コロナ禍でオフィスニーズの減退も早かったが需要の回復も早い」と分析する。

 東京20エリアの募集賃料をみると、25坪以上50坪以下の小型オフィスと5坪以上25坪未満の超小型オフィスともに横ばいだった。小型オフィスは1坪当たり1万5272円で、前期とほぼ同額。超小型オフィスは1万3278円で、0.8%上昇した。

2022.02.18