賃貸は郊外志向進み、購入は二極化鮮明

―ライフルが問合数から住みたい街を調査

 LIFULLは3日、22年の「LIFULL HOME’S住みたい街ランキング」を発表した。首都圏の賃貸では郊外志向が進み、駅勢圏が広くてターミナル性のある準近郊や郊外の街が上位に入った。購入では都心志向が復活する一方、郊外需要も堅調で「二極化」がより鮮明になっている。

 同調査は昨年1年間でライフルホームズに掲載された、購入・賃貸物件で問い合わせの多かった駅を集計したもの。賃貸は「本厚木」が2年連続で1位となり、次いで大宮(昨年2位)、「柏」(9位)、「八王子」(4位)、「西川口」(12位)の順となり、準近郊や郊外の街への関心が高かった。①低家賃②都心へ1時間弱でのダイレクトアクセス③郊外のターミナル駅で生活利便性の担保-などが郊外化の要因とした。また、10位「川崎」(10位)や14位「荻窪」(15位)など、郊外への意識はあっても利便性は譲れない「中間層」のニーズも顕在化。コロナ禍の長期化で、一過性と思われた郊外志向が定着し始めていると分析。

 購入では「勝どき」が3年連続で1位となり、「白金高輪」(昨年2位)、「横浜」(23位)、「浅草」(21位)、「平塚」(14位)と続いた。資産価値と周辺環境を含めた物件スペック、コロナ禍だからこその「職住近接」などの利便性を重視し、都心志向が復活。一方で、テレワーク定着と物件価格の高騰の受け皿として準近郊や郊外への関心も堅調で、二極化が進んでいる。ライフルホームズ総研副所長の中山登志朗チーフアナリストは今後について「コロナの波が収束に向かわなければ、賃貸の郊外化と購入の二極化の傾向は今年も続いていく」とみる。

2022.02.11