東京都、住宅省エネ化に向け予算を拡大
―22年度予算案、既存住宅向けで247億
東京都が28日に公表した22年度一般会計当初予算案は前年比5.1%増の7兆8010億円となった。新型コロナの感染対策や脱炭素、デジタル化などの事業に重点配分。脱炭素の施策では既存住宅の断熱性向上や太陽光パネルの設置補助などに総額247億円を計上。新築向けでは省エネ住宅「東京ゼロエミ住宅」の普及に向けた予算を前年の4倍超に拡大した。
新設する断熱・太陽光住宅普及拡大事業では、設備費45万円で既存住宅の窓4枚を断熱改修し、120万円で3㎾の太陽光発電設備(PV)を設置する場合、住宅所有者の負担は断熱改修が15万円、太陽光で75万円まで軽減される。このほか既存住宅の省エネ改修促進を1460戸分の11億1900万円、省エネ・再エネ住宅推進プラットフォームの構築を1億500万円で新規事業化する。
「東京ゼロエミ住宅」は22年度から、現在の認定水準に加え、新たに削減率35%と40%の基準を導入。削減率が高まるほど補助率も増し、削減率40%の場合は戸建て住宅が1戸当たり210万円、集合住宅が同170万円まで補助する。規模は戸建て住宅が1万805戸分、集合住宅が4225戸分で、ともに21年度比3倍以上。PV設置による上乗せ補助も拡大する。補助額は現在の1㎾当たり10万円から12万円に高め、規模は8倍超の1万1650戸分とする。
都市整備では、品川駅周辺の歩行者ネットワークを構築する「品川駅東西自由通路整備事業」を21年度比8.4%増の6億5500万円に、京急品川駅総合改善事業を2倍超の4900万円に拡大する。築地地区まちづくり調査は84.3%減の3800万円に縮小する。地下鉄12号線(都営大江戸線)を光が丘駅以西に延伸させる調査費も計上した。
2022.02.04