建築物省エネ法、改正法案提出見送りか
—国交省、25年度適合義務化に変更なし
17日召集の第208回通常国会で、住宅・建築物の脱炭素化を進める「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律案(仮称)」の提出が見送られる公算が高まった。13日の衆参両院の議院運営委員会で、建築物省エネ法の改正法案は提出予定法案に含まれず、「提出予定以外の検討中」の扱いとなった。参院選を控え、検討中法案の国会提出は厳しい状況にある。
通常国会の内閣提出予定法案は全58本で、検討中となった法案は全12本。国土交通省が提出を目指していた7本のうち、建築物省エネ法改正法案と港湾法の一部改正法案は、政府全体の調整のなかで検討中扱いとなった。検討中法案は、国会の状況によっては提出されることがある。ただ、208回通常国会の会期は6月15日までで、参院選の投開票日が7月10日の見込み。日程的に会期延長は難しく、検討中法案の提出は次回以降の国会へずれ込む可能性が高まった。
建築物省エネ法改正案は、政府が掲げる2050年カーボンニュートラル宣言の実現に向けた目玉法案のひとつ。「25年度以降に新築される住宅・建築物の省エネ基準の適合義務化」をはじめ、住宅・建築物分野の脱炭素化を目指す改正が多数盛り込まれる予定。国交省担当者は、仮に国会への法案提出が遅れた場合でも「25年度の省エネ基準適合義務化が先延ばしになることは無い」と話す。
国交省の提出予定法案・提出予定時期は▽国際園芸博準備運営特措法案(2月上旬)▽所有者不明土地特措法改正法案(同)▽自賠責法改正法案(2月下旬)▽航空法改正法案(3月上旬)▽宅地造成等規制法の一部改正法案(盛り土法案)(同)―の5本。
2022.01.21