新たな国土形成計画、9月末から議論
―青柳・国土政策局長、女性活躍がカギ
国土交通省の青柳一郎・国土政策局長は14日、専門紙記者会の就任会見に応じた。注力していく分野は、「国土形成計画と、離島や豪雪地帯といった条件不利地域振興の2つが大きな仕事。国土形成計画は、新たな計画の議論を9月末から始める。期限が近づく豪雪地帯対策特措法と離島振興法(ともに議員立法)は、来年の通常国会での延長の準備を進める」と話す。
国土づくりの方針を定める国土形成計画は、次は第三次計画の策定となる。青柳氏は「時代の変化もあり、計画自体が分かりにくくなっている」と指摘する。前計画では「対流促進型国土の形成」を基本コンセプトに掲げ、人口減少に立ち向かう地域構造・国土構造として「コンパクト+ネットワーク」の概念を示した。「これらは正しいとは思うが、個々の分野がどこまでたどり着けているのか見えにくい。分かりやすい目標と道筋を示し、いろいろなステークホルダーに手に取ってもらえるような計画にしたい」(青柳氏)とする。第三次計画は22年夏の中間とりまとめを目指す。
二地域居住の推進、関係人口の増大、東京一極集中の是正といったテーマも所管。「これらに共通して求められる地方活性化で、重要になるのが女性の活躍だ。地方には女性の仕事が少ない。地方でも女性が男性と同じように働けるようになってほしい」(同)。この考えから、新たな国土形成計画を議論するメンバーも約半分を女性にしたという。
将来のリニア中央新幹線開通後のスーパー・メガリージョン形成は、東京一極集中の是正や二地域居住に資するとして大きな期待を寄せる。「世界でも類を見ない経済ブロックができる。地方の良さを認識する機会にもなるだろう」(同)。
2021.09.24