宇野・都市局長が就任、3つのSテーマ
─27年国際園芸博、準備法案を次期国会に
国土交通省の宇野善昌・都市局長は1日、専門紙記者会の就任会見に応じた。「サステナブル、セーフ、スマートの3つのSが自分のテーマと考えている。持続可能なまちづくりと、まちの基礎条件である安心安全、そのための手段として発展するICT技術を使いこなしていくことが大事だ」と、人口減少、高齢化、気候変動が進むなかでの就任の抱負を語った。
コロナ禍で、にぎわいが「密」と呼ばれ避けられるようになったが、「都市機能の集積や人々の交流空間の必要性は変わらない。むしろコロナによってリアルな交流の重要性が再認識された。屋外環境、オープンスペースを上手に使って、ゆとりある空間をつくることが求められる」(宇野氏)。ゆとりある空間は、都市局が提唱するまちづくりの方針「居心地が良く歩きたくなるまちなか(ウォーカブルシティ)」とも関わる。賛同自治体は増えており、「ウォーカブルの考えに共鳴してくれた都市は300超、実際に法律に基づく区域設定を行った都市は50超となった」(同)。
都市局が開発した3D都市モデル「PLATEAU(プラトー)」のまちづくりでの活用にも期待する。プラトーは3Dの建物情報をオープンデータ化し、様々なデータと掛け合わせ情報を可視化できる。「これまで56都市を3D化した。多くの都市で作ってもらえるよう支援し、活用ケースも増やしたい」(同)。
また、27年に横浜市で開催される国際園芸博覧会の準備にも注力する。自然を対象にした博覧会で、SDGsの目標年である30年を前に、グリーンインフラなどの情報提示が可能。政府として、開催主体を指定し財政・人的支援を行うための法律作りを都市局は担う。法案は22年の通常国会で提出する方針。
2021.09.10