所有者不明土地、法改正と予算で対策

─国交省、市町村の計画支援など1億円

 国土交通省は、22年の通常国会で所有者不明土地特措法の改正法案を提出する。所有者不明土地の円滑な利活用や管理の確保を図る仕組みの拡充などを盛り込む。22年度予算でも、所有者不明土地の発生抑制に資する取り組みを支援する方針。新たに1億円を要求し、改正法に基づく新しい仕組みの活用に取り組む地方自治体を支援する。

 国交省は改正法で、所有者不明土地対策に関する計画(任意)を、市町村が策定することを盛り込む方針。市町村が計画を策定するために実施する土地の実態把握について、予算で支援する。さらに、市町村の計画の内容に沿った取り組みを支援するため、所有者不明土地等の利活用手法を検討するための基礎調査や、草木の伐採など管理不全の解消なども予算の範囲で支援する考え。改正法と予算支援のセットで、所有者不明土地等の発生と将来の国庫帰属化(相続土地国庫帰属制度)を未然に防止するのが狙い。

 このほか不動産関連では、不動産IDの利活用促進・情報連携促進に向けた検討に、新たに3000万円を要求した。各不動産の共通コードである不動産IDに使用する番号の簡易・低廉な確認手法に関する検討や、不動産関連のデータベース等との連携方法などを調査・分析する。

 また、「宅地建物取引業免許申請等に係る手続の電子化の推進」は新たに2億8000万円を要求(デジタル庁一括計上経費)。電子申請システムにより、対面・書面で行われている宅建業者の新規免許申請や更新などの申請、名簿登載事項変更届出書など、宅建業法に基づく申請や届出を全てオンラインで完結することを目指す。

2021.09.10