盛土災害防止へ、政府の連絡会議が発足
─都道府県に目視による盛土の総点検依頼
7月に静岡県熱海市で発生した違法な盛土を起因とする土石流災害を受け、政府は10日、「盛土による災害防止のための関係府省連絡会議」を立ち上げた。同日の初回会合で盛土の点検方法を決定し、全国的な盛土の総点検を都道府県に依頼した。年内をメドに点検結果の暫定とりまとめを行う。並行して、現状で既に危険な状態にある盛土への対策や、土地利用規制を含めた今後の危険な盛土を防止する方策を検討する。
都道府県が、過去の許可・届出資料などから確認した盛土や、国土地理院が提供する盛土可能性箇所データから推定される盛土を点検する。点検は目視で行い、①許可・届出等の必要な手続きが行われているか②手続きの内容と現況が一致しているか③災害防止の必要な措置がとられているか(水抜きの有無等)④禁止事項の確認(廃棄物の有無等)─といったチェックを行う。点検は、土砂災害警戒区域(土石流)の上流域や大規模盛土造成地などを重点対象とする。
今後、政府内で別途有識者会議も発足させて対応方策を練る。危険箇所の対策(事業対応)と今後の危険な盛土防止(制度対応)の2つを検討する。危険箇所の対策は、行為者による是正措置を基本として、各省で危険箇所対策(盛土の撤去、対策工など)、詳細調査等の予算を措置する。支援制度は土地利用区分等によらず、同様の制度とする方針。今後の危険な盛土防止策は、土地利用規制など、安全性を確保するために必要な対応策を検討する。廃棄物混じり土の適正運用も検討事項とする。 連絡会議は内閣官房を事務局とし、国土交通省、環境省など関係省庁の局長級のメンバーで構成される。
2021.08.20