低未利用地特例、半年で確認2千件突破

―地方部の塩漬け物件動かすきっかけに

 低未利用地の100万円特別控除の適用に必要な確認書の交付が、20年7月の制度導入から同12月までの半年で2060件になったことが分かった。国土交通省が、自治体の確認書の交付状況を全国調査した。約6割が30年以上保有されていた土地だった。新たな税制特例が、長い間塩漬けになっていた土地を動かすきっかけになっている。

 低未利用地の100万円特別控除制度は、個人が低未利用土地とその上物を合計500万円以下で譲渡した場合、売主の長期譲渡所得から最大100万円を控除する特例。地方では土地が安く、売却収入より解体費などの負担が重くなり、土地が放置される構造になっている。同制度は売却時の負担感を軽減し、新たな利用者への譲渡を促進することを目的に創設された。適用には譲渡前は低未利用であること、譲渡後は買主が利用することを市区町村が確認した確認書が必要。

 確認書を調査すると、譲渡前は「空き地」が58%で最多、次いで「空き家」が25%だった。譲渡後の利用目的は、「住宅」が57%で最も多い。土地の所有期間は30年以上が57%。全都道府県で交付実績があり、平均は約44件だった。確認書の交付が最も多かったのは茨城県で124件。1件当たりの譲渡額は平均231万円(単独所有は257万円、共有は143万円)。市町村単位では宮崎県都城市が43件でトップだった。

 相続で低未利用地を取得したものの放置されていた事例や、単体では売却が難しかった隣接3筆の土地を、3人の所有者それぞれに控除が適用できるよう宅建業者がコーディネートした事例もみられた。確認書交付後に適用に至らないケースもあり得るため、確認書の交付件数は特例の適用件数とは異なる。

2021.08.06