一種低層でのシェアオフィス立地促進へ
―国交省、自治体に特例許可の基準示す
国土交通省は、シェアオフィスの立地が規制されている第一種低層住居専用地域などで、地方自治体が特例的に立地を許可する場合の基準をこのほど示した。騒音対策や喫煙制限などの臭気対策、交通安全対策などを講じ、良好な住環境を維持するものは、許可の対象になることを明確化した。
河野太郎・規制改革・行政改革担当大臣の主導で設置された「縦割り110番」に、「シェアオフィスのニーズに対応するため建築基準を見直して欲しい」との要望が寄せられた。シェアオフィス(事務所)は、建築基準法上、用途地域別に立地が規制されている。第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域の場合、原則として、床面積の規模を問わずシェアオフィスの立地は認められない。
特例で、良好な住環境を害するものではないと認められた場合は許可される仕組みがあるが、許可実績がなく、前例がないために地方自治体は住宅地でのシェアオフィス許可に消極的だった。一方で、コロナ禍により住宅地の空き家やマンションの空室などを活用したシェアオフィスのニーズは高まっている。
そこで河野大臣直轄チームと国交省が協議。国交省は地方自治体に対して、一種低層等でシェアオフィスを特例的に許可する場合の許可基準の目安を「技術的助言」として発信した。良好な住環境の維持または向上が条件となるほか、営業時間の制限では「午前8時~午後9時まで等」を例示。今後、シェアオフィスの特例許可の実績が蓄積された際には、改めて「許可準則」として策定する予定。
2021.07.16